絶対的情熱と圧倒的冷静さ

淺田美代子 河南省の陳式太極拳館にて

写真は当会の名誉会長である淺田先生が、中国河南省の陳家溝太極拳館に留学されていた頃の写真です。

太極拳の発祥地である河南省の武術大会で金メダルを獲得しても、淺田先生は満足するどころか、逆に悩んでしまったそうです。

そして、師を探す旅に出ました。

99パーセントの満足度でも納得できない淺田先生の情熱があるからこそ、私たちはいま本物の八卦掌を日本で学ぶことができています。

私が八卦掌の指導を受けるときに、淺田先生がよく仰ってくださる言葉があります。

「八卦掌を習得するためには、絶対的情熱と圧倒的冷静さが必要」

情熱だけではダメ、考えるだけでもダメ。

私は八卦連環掌を学んで、やっとこの言葉の意味が僅かにですが分かり始めてきたような気がします。

八卦連環掌はその名の通り、らせん運動が途切れないように連環して行います。

決して止まってはいけません。まるで淺田先生の生き方そのものです。

八卦連環掌はとても魅力的で、ともすると動作に夢中になってしまうのですが、どれか一つの動きに納得してしまったら、すべての動作が自己流になってしまいます。

八卦掌を学ぶまで、私は自分の性格が頑固だとは思っていなかったのですが、淺田先生の実体験を経た「圧倒的な冷静さ」を目前にするたびに、長年の会社勤めのせいなのか、自分が老いたせいなのか、頭が固くなっていることにたびたび気づかされます。

「絶対的情熱と圧倒的冷静さ」

決して止まることのない自然界の活動にも通じているような、奥深い言葉です。